【世界一わかりにくい愛の物語】シン・エヴァンゲリオン劇場版:Ⅱのキャラについて思う事

こんばんは!

シン・エヴァを見に行ってから一週間経って、心の中をまだエヴァンゲリオンに持ってかれている柚木です

公開初日に心のままに書いた日記は自分でも驚くほど長く、もはや備忘録代わりになっています

ネタバレを気にしない方は前回の日記もよかったらどうぞ

今回は各キャラクターについて思ったことをつらつらと書いていきたいと思います。

例にもよってまたネタバレだらけなのでご注意ください

目次

◆碇シンジ

やっぱり主人公なんだなぁと感じることが多かった今作
悩み苦しみもがき周りの手を借りて立ち上がり成長し敵と向かい合い、そして理解する
テレビアニメ版からずっとあまりにもネガティブすぎないかと思っていたのですが、よくよく考えたらこの子は中学2年生の男の子で、親にもほっておかれて呼び出されたかと思えばいきなり戦え!はないわぁ
エヴァでなにがこんなにモヤモヤするのかと思ったら、周りの大人が中学2年生の何も知らない男の子を自分たちの都合で振り回して突き放すところがたまらなく勝手だなって思うんですよね
シンジくんはもっと怒っていいような気がするけど、今作では周りの大人になれなかった大人を越えてシンジくんが先に成長することで大団円を迎えたんだなぁって感じました
もっとね、説明をしてほしいんですよ!できるできないじゃない!やれ!っていうのがもう多すぎてかわいそうでならなかった
精神的に大人になったシンジくんが本当に大人になるところを見届けられるなんて本当に感慨深いものがありますね・・・
多感な思春期の男の子が立派な大人になって・・・
感情移入していた主人公を、当時から見ていた人にとってはもはや息子のような目で見るなんて不思議なお話ですね

◆綾波レイ

今作でも破までで見せたポカナミを見れると思わなかった・・・!Qの時のあのロボットのような無機質さがどこへ行ったのか、子どものように無邪気にいろいろなものを吸収していくレイがたまらなく愛しかった
第三村のみんなも中学生くらいの見た目なのに小さなこのような無知さのギャップがあるレイを暖かく迎え入れて見守ってくれて、こっちまでポカポカしました
レイの本質は無邪気さ、純粋さなのではないかなって思います
元はユイだし、母性もあれば人間味があって当然のような気も
レイと元同級生で大人になったトウジと委員長たちとの会話が良かった
特に委員長
第三村の人々がどの程度何を知っているのか知らないけど、そっくりさんとして暮らすレイをけげんな目ではなく暖かく何も突っ込んだ話も聞かないってやっぱり大人じゃなければできない対応なんですよ
14年前の子どもがさまざまな苦労を背負ってのことだろうけど、順当に成長して大人になったのを感じるシーンでもありました
14年前から大人だった人たちはまったく・・・
しかし自分の事を把握しているレイはいつまでもそこにいられないからとシンジにお別れを言いに行ってそのまま溶けるシーンが本当に辛かった
いい話から辛い話の緩急が本当に上手な事・・・
結果シンジを奮起させるきっかけになったレイは、本当にヒロインらしいヒロイン
自己犠牲がなければなお良し!なんですけど、何せ元はユイだし・・・(2回目)
最後のシーンで電車を待ちながらカヲルくんと何を話していたのかが大変気になります

◆式波・アスカ・ラングレー

今作で設定がモリモリに盛られたキャラクターNo.1といっても過言ではないのでは・・・?
シンジに苛立ちながらも世話はしっかり焼いてるところが、見た目は変わらずとも精神的には成長しているのかなと思いました
ただ途中で明かされる「式波シリーズ」のインパクトが本当にすごかった!
「アナタモソンナシリーズアッタノー?!」って叫びそうになりましたもの、えぇ
綾波シリーズとかはテレビ版で言及されてトラウマ一歩手前のシーンまでバーン!って出されてたけど、アスカの名字が変わったのはそんな理由もあったのかしら・・・
ただレイと決定的に違うのはそのスタンス
レイは「私の代わりはいるもの」と事実でありながら、個としての自分に対して何の感情もないようなセリフを言うことに対して、アスカはあくまでも「個」としての自分の存在意義のためにずっと自己研鑽をかかさず戦っていました
だからこそアスカは戦いの中に自己を見出していたかと思うと、序から始まる新劇場版においての彼女のセリフの重みが変わってきますね・・・
シンジと互いに「昔好きだった」と恋心に決別を告げるシーンも、精神的に成長した証だったのかもしれません・・・
精神的に大人になったアスカと、14年目覚めずに少年のままの心を持ったシンジでは見た目こそ変わらないとは言え、考え方が変わっても仕方がないのかもしれません
テレビアニメシリーズでのアスカは母親へのトラウマのシーンがあって最後まで見てるのが辛くなる痛ましいキャラクターになっていましたが、今作はどういういきさつかケンスケにありのままの自分を認められて受け入れられる救済のシーンがあったおかげで、大分見ていることに辛さがなくなってこっちまで救われた気分でした
ちなみに劇中で綾波シリーズはサードチルドレンを好きになるようにインプットされている~みたいなことを言っていたのですが、式波シリーズにはどんな刷り込みがあったのだろうかと少々邪推してしまいますね
ツンデレはテンプレなんでしょうかね・・・

◆碇ゲンドウ

もう諸悪の根源でしかないもの
大人になり切れないまま大人になり、親になり切れないまま親になった男という感想
立場上大人で、立場上父親だけど、精神的にはシンジと同学年くらいの男の子のメンタルのような気すらする
ただ大人特有の頑固さが悪い方に働き、独善的で自己中心的な考え方に代わり、最終的に世界を破滅に向かわせてしまっているのだから目も当てられない
なのに今作でようやく碇ゲンドウの意図と背景が見えたからこそ憎み切れないという難しい立ち位置になってしまったのもたしかなんですよね
ユイを取り戻したい、ではなくユイをちゃんと見届けて、自分もそこに行きたい、なんて最近の純愛の歌ですら裸足で逃げ出すほど深い愛情のために動いていたなんて、視聴者はこのキャラクターをどんな目で見れば良いかわからなくなるじゃないですか
「こんな時どんな顔をすれば良いのかわからないの」になっちゃうじゃないですか・・・!
自分を唯一受け入れてくれた最愛の人に依存しすぎてしまったんですね
だったらその最愛の人との間に生まれたシンジを大事にすれば良かったのに、こんな男に育てられるシンジがかわいそうという訳の分かるようで分からない理屈で孤独にさせるのだもの・・・
こじらせ男No.1だよ!あんたコジコジだよ!だけど今作見終わったら一周回って少し愛しくなったよ!悔しい!
感情が大爆発せざるを得ないキャラクターでした

◆冬月

正直感想があまりにもなさすぎるキャラクター
どちらかというと私にとってはカヲルくんの次に気持ちが分からないキャラクター
ユイにもう一度会いたいというゲンドウと同じ気持ちだったのだろうけど、今作ではLCL濃度の高いところにいすぎて文字通り溶けて消えるという幕引きもあっという間であれば、存在意義も本当に謎でした
場面と場面、キャラクターとキャラクターをつなぐためのキャラクターという感じ
ゲンドウほど愛に狂うほどの狂気は見えなかったのに、ゲンドウにすべてを託して付き従っていたのがよく分からなかったなぁ
今作に関してはマリが昔ゲンドウやユイと同期であることを説明するためにいたのかなぁという話を少しわかりやすくしてくれるようなわかりにくくしてくるような不思議な立ち位置のキャラクターでした

◆真希波・マリ・イラストリアス

劇場版シリーズの新ヒロインにして真ヒロインに躍り出てきたキャラクター
ユイと同期ってことは親世代のはずで、昔の写真には大人になったマリの姿も出てきていたのに劇場版では一貫してスタイルの良い中学生くらいの姿なのはエヴァ七不思議の1つに数えても良いのではないでしょうか
アスカですら式波シリーズって新しい言葉が出てきたのだから、正直「真希波シリーズ」とか言われても不思議じゃないのが怖い・・・
まだマリはいるのかしら・・・
元になったマリが冬月の言っていた「イスカリオテのマリア」とか呼ばれていた時代のマリだったりするのでしょうか
これも何も説明もなくそう呼ばれていたという事実だけ急にぶっこんでくるもんだから、はぁそうですかとしか言えない
新キャラクターにしてカヲルくん並みに謎ですよね
シンジのことをワンコくんって呼んでるのも、どこにいても見つけ出してみせるっていうのも説明はないんだよなぁ・・・
アスカのことを姫と呼んでいたり愛称をつけるのが好きなのかな?
最後シンジと一緒に世界を改変?したかのような描写から、大人になったシンジと大人になったマリと一緒にいて明るい未来に向かって走り出すシーンが一番印象的
マリアは救世主を生むものだから、シンジを大人に、世界に向けて生み出したと拡大解釈をすればマリアと呼ばれていたことのつじつまはあうのかなぁ・・・
難しいキャラクターでしたが、個性的でかわいらしくて時に大人で、個人的にはとても好きなキャラクターでした

◆渚カヲル

エヴァを難しくする男No.1
意図が分からなさすぎる!
Qにいたっては分からない言葉で分からないことをずっと説明してくるから頭爆発するかと思った!・・・ら本当に爆発するのだもの・・・なんでだよ・・・首輪外せるなら自分につけなくてもいいじゃん・・・なんでだよ・・・
みんなにトラウマを植え付けてシンジくんを危うく再起不能にするところだったキャラクターですが、なぜかシンジくんに寄り添い幸せにして見せるなんてこっちが真っ赤になるような言葉を平然と吐くすごいキャラクター
今作は出てこないかと思ったら出てきたね!回想だろうけど「渚司令」としてね!どこ所属かな?どこ所属の渚司令なのかな?加地さんの上司なの?もうなんなの・・・?
出てくるたびに謎は解明されないのに新たな謎だけ増やしていくのだもの・・・
最後のシーンでレイとお話していた未来があるということは人間ってことで良いの・・・?
イケメンで一瞬で消える系のキャラクターなのに、下手したらエヴァを知らない人でも名前だけ謎に知られているかもしれないキャラクター

◆葛城ミサト

指示が作中で何回も変わるからオロオロしちゃう
破からQにかけて180度いう事変わるから本当に同じ人かと疑っちゃったよね
だけど今作を見てようやくわかった
愛情表現が本当に不器用な人なのね
Qでシンジくんにエヴァに乗るなって言ったのはシンジくんへの愛情でもあったのね
でも説明がほしいなぁ・・・もっともっと説明してくんないかなぁ
驚いたのはQで出てこなかった加地さんはニア・サードインパクトをどうにか止めるために犠牲になっていて、加地さんとの子どもが生まれていたのが衝撃
14歳の加地リョウジって言ったからてっきり今度は「加地シリーズ」でも出たかと思ったよ・・・もう何が起こっても不思議はないし、もう何が起きても受け入れざるを得ないほどエヴァを追いかけてきた人たちは観る時の心構えが違うんだよ・・・!
子どもがいたこともあってか、破までのお姉さんと弟のような関係性ではなく、母と息子のような関係性にシフトした結果、愛情ゆえにQでシンジにエヴァに乗らないように言い始めたのね
そりゃぁシンジくんはそんな背景知らないから普通に反抗するよね、乗れ!って言ってきた人が乗るな!っつったら、なんで!ってなるよね
ゲンドウほどではないけど説明が足らないのよー
でもヴンダーを駆ってシンジくんを文字通り命がけでサポートしたミサトさんは今作で一番カッコイイキャラクターだったと思います
Qでミサトさんが分からなくなった人はぜひ今作を見てほしい

◆トウジ・委員長・ケンスケ

ひとまとめにした元同級生トリオ
関係性はなるべくしてなったであろうトウジ・委員長夫婦と、サヴァイヴ能力たくましいケンスケは人里から少し離れた山奥に住むという生活
しかしまさか町が滅んで第三村に逃げ延びて、昭和のような昔のような暮らしを営んでるとは誰も思わなかったんだよなぁ
主人公たちエヴァパイロットと同い年だった彼らが順当に成長し、大人になった姿は冒頭で感動せざるを得ないシーンでした
大人になって・・・生き延びて大人になれて・・・パイロットではないからこそ大人になれて・・・といろんな感情が去来するんですよ
特にあんなに喧嘩っぱやかったトウジが丸くなって、生きる気力のないシンジを気遣う姿が本当に大人になったんだなぁと感慨深くなります・・・
でも思い起こしてみればトウジが最初シンジに突っかかってきたのは妹を傷つけたと思ったからで、身内にはもともと甘かったんですよね
まさかお医者さんになっているとは思わなかったけど、テレビシリーズを見て、Qで必要以上の登場人物を出さなかったから、みんな死んだのかと思っていたところに嬉しい再会でした
委員長にしてみてももともとの面倒見の良さに加えて、人との距離感が絶妙で、ミステリアスな元同級生綾波レイの「そっくりさん」に対して、おはようとは、おやすみとは、と言葉と同時に心を教えていくシーンは感動しました
言い回しが本当に優しいんですよね、おまじない、っていうの、柔ららかいやさしい表現
ケンスケは飄々としながらもアスカやシンジを遠巻きに気遣っていて、気遣っていることを悟らせないような距離感と過干渉にならないような見守り方が大人になったなぁと思いました
アスカに対していつありのままで良いって言ったのかは分かりませんでしたが、生きるか死ぬかのこの世界観で肩の力を抜いて生きるケンスケはアスカにとって救いになるのもわかる気がします
エヴァパイロットたちとのそれぞれの対比としての登場ではあったかもしれませんが、大人になるとは、というのがそれぞれのキャラクターの成長の仕方、人との接し方で伝わってくる大変良い演出だと思いました

◆ヴィレの人々

ヴィレの人々は正直バラバラに集まってきた人で一枚岩ではないのかと思っていました
まず冒頭のシーンで現場の解析の指揮を執っているマヤが若い男にイラついていたり、シンジを首輪なしで乗せることにミドリが異論を唱えていたりと割と不満が各所で噴出している所が見受けられましたが、ゲンドウというラスボスを前にしたシンジやミサトを見て結束するシーンが大変熱くて良かったです
トウジの妹のサクラちゃんがいいキャラクターでわりと好きなのですが、まさかあのシーンでミドリではなくサクラちゃんが撃つとは思わなかったなぁ
そこでかばうミサトさんが本当にカッコよくてそりゃぁ加地さんも惚れるわけだと・・・
ゲンドウを前にして容赦なく脳天ぶち抜くリツコもカッコよかったのだけど、テレビアニメ版ほどのドロドロしたシーンがあったのかが分からなかったので、どの程度のどんな内容の私怨があったのかが気になるところ・・・

書ききれない!

ここまで書いてまだ思うけど、この映画誰か解説してくれる人と見れたら最高だなぁ
庵野監督しか解説できないところもありそうだし、逆に考察班の人の方が詳しい部分もありそうな気もするし・・・
誰か教えてー!な部分も多いので、もう一回見に行くかブルーレイ化を待つか・・・
総じて思うのは世界一わかりにくい愛の物語だったんだなぁという感想
ゲンドウとユイの恋愛やミサトとシンジの親愛や委員長とレイへ友愛やいろんな形の愛の物語でもあるのかなぁと

ではでは~

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この記事を書いた人

田舎住まいオタク主婦。アニメ・映画・香水等好きなものを好きなだけ紹介
今はRABと刀剣乱舞が熱い。推し事楽しい♪

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